
(左から弊社TieUps小原、カシオ計算機株式会社石崎様、伊藤様)
CASIO 「Streamer Times」× TieUpsコミュニティ「ライバー育成プログラム」協業インタビュー
ーコミュニティで見えてきた、ユーザーと繋がるためのプロダクト改善ー
カシオ計算機株式会社石崎様・伊藤様インタビュー
電卓や電子辞書、楽器で世界的に知られるカシオ計算機株式会社(以下、カシオ)。
「誰もがクリエイターになれる時代」を見据え、2025年8月にライブ配信スケジュール管理サービス
「Streamer Times(ストリーマータイムズ)」をリリースし、クリエイターエコノミー領域への新規参入に挑んでいます。
同社がさらなる成長の鍵として選んだのが、TieUpsが運営する「ライバー育成プログラム」との協業です。コミュニティを通じてユーザーと深く繋がり、ともにサービスを磨き上げていく。
そんな共創のプロセスから得られた知見や、プロダクトに込めた想いについて、事業開発担当の石崎さんと、プロダクトオーナーの伊藤さんにお話を伺いました。
・ 導入企業 : カシオ計算機株式会社
・ 利用プロダクト : TieUpsオンラインコミュニティ「ライバー育成プログラム」
・ 連携サービス : 番組表型スケジューラーサービス「Streamer Times」
ご担当者様紹介
- 石崎 浩輔 氏 : サウンド・新規事業部 第二戦略部 第一企画室。クリエイターエコノミー事業全体の事業開発と、各プロダクトの商品企画を担当。
- 伊藤 正樹 氏 : サウンド・新規事業部 第二戦略部 第一企画室。Streamer Timesのプロダクトオーナー(PO)として、
仕様設計や方針策定を担う。
※本記事はインタビュー実施当時の情報をもとに構成されています。所属部署等は取材当時のものです。
背景・導入の決め手・成果

背景
- ライブ配信・クリエイター領域という新たな市場での、新しいファンとの出会いの模索
- 従来の販売店チャネルとは異なる、デジタルネイティブな層への最適なアプローチ方法の探求
- ユーザーの皆さんの「生の声」を大切にしながら、共にプロダクトを育てていきたいという想い

協業の決め手
- Z世代を中心としたクリエイター層に深く浸透している、TieUpsのコミュニティ基盤との親和性
- コミュニティという温かい距離感だからこそ得られる、サービス体験(UI/UX)への深い理解
- 一過性の施策に留まらず、ユーザーの皆さんと継続的に交流し、寄り添い続けられる「場」の獲得

成果
- コミュニティ経由の行動データにより、「どのステップで離脱しているか」等のプロダクト課題を特定
- 実際のユーザー目線によるUI・導線へのフィードバックを即座に改善へ反映
- 登録までのプロセスをユーザー目線で見直すことができ、よりスムーズな体験を提供するための指針を策定
カシオが挑む「クリエイターエコノミー」の可能性
小原 : 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、改めて御社の事業について簡単にご説明いただけますでしょうか。
石崎様(以下、敬称略) : はい。カシオ計算機といえば、時計や電子辞書、楽器といったハードウェアの印象が強いかと思いますが、現在は「サウンド・新規事業部」を中心に、クリエイターエコノミーなどの新たな領域にも注力しています。
この部署は、既存の鍵盤楽器を扱うサウンド領域と新規事業領域の2軸で構成されており、私たち新規事業ではAIロボット「Moflin(モフリン)」や、クリエイターの活動を支援するプロダクト開発など、既存の枠にとらわれない事業開発を行っています。
小原 : 石崎さん、伊藤さんのご担当についても教えてください。
石崎 : 私はサウンド・新規事業部の第二戦略部第一企画室に所属し、クリエイターエコノミー事業全体の事業開発と、
各プロダクトの商品企画の統括・担当をしています。
伊藤様(以下、敬称略) : 私は同じ部署で、ライブ配信専用スケジュールサービス・Streamer Timesの仕様設計や方針策定を担当しています。役割としては、プロダクト全体の責任を持つPO(プロダクトオーナー)の立ち位置で動いています。
ライブ配信に「番組表」を。直感的なストック型UIが鍵に。
小原 : Streamer Timesとはどのようなサービスですか?
石崎 : Streamer Timesはライブ配信専用の番組表型スケジューラーサービスです。
(※1 Streamer Timesについて知りたい方はこちら)
ライブ配信はリアルタイムコンテンツであり、ライバーとリスナーの時間が一致して初めて成立します。
そのためスケジュールのマッチングが非常に重要です。
しかし、現状ライバーの配信スケジュール共有はSNSによる告知が主な手段ですが、リスナー側は投稿に気づけないことも多く、見逃しにつながっている等の課題があります。Streamer Timesでは、配信スケジュールを一括で共有・管理でき、常に最新情報を確認できるサービスです。

小原 : どのような機能があるか詳しく教えてください。
石崎 : 主な機能は3つあります。1つ目は「ストック型」のスケジュール管理です。SNSのように情報が流れてしまわず、リスナーがいつ見ても最新の配信予定を確認できます。
2つ目は「ヒートマップ」による配信時間の最適化です。自分のフォロワーがどの曜日・時間帯に視聴できるかをデータで可視化することで、より多くのリスナーに届きやすい配信スケジュールを組み立てることができます。
3つ目は「スケジュール出力機能」です。VTuberの方々の間では、1週間の配信予定をまとめた画像をSNSに投稿する文化がありますが、これまではデザインツールで一から作成する手間がかかっていました。この機能を使えば、登録済みのスケジュールをそのまま画像用データとして出力できるため、作業時間を大幅に短縮できます。実際に「作業工数が10割から2割に減った」という声も頂いています。

伊藤 : 加えて、ライバーの皆さんにとっては、単なるスケジュール管理に留まらない価値も見えてきています。
配信予定を一覧で可視化できることで配信コンテンツの動きや他の配信との関係性を把握しやすくなり、ライブ配信の潮流の可視化につながっていると感じています。
また、先々の予定まで登録・公開できることが、活動の安定性にも寄与しています。実際に「先の予定まで告知できることに意味がある」という声も多く頂いています。
これまでスプレッドシートやGoogleカレンダーで配信予定を管理していた方が、Streamer Timesをそのまま代替として活用することで、管理と告知を一体化できる点にも価値を感じていただいています。
小原 : なるほど。「番組表」というコンセプトは非常にユニークですよね。
伊藤 : 最初はシンプルな「スケジューラー」というアイデアでした。
しかし、議論を重ねるなかで「番組表」というキーワードが出てきたとき、これなら一覧から選ぶワクワク感を提供できる、強いソリューションになると確信しました。
番組表を眺めて何を見ようか選ぶ楽しさは、世代を超えて共通の体験だと思っています。

コミュニティだからこそ見えた課題。ユーザーインサイトをプロダクトの「進化」へ繋ぐ
小原 : 今回、「ライバー育成プログラム」との協業を決めたきっかけを教えてください。
石崎 : 最大の理由は、顧客接点の拡張です。カシオとしては、ライブ配信領域においてターゲットとなるユーザーがどこにいるのか、どうすれば声を届けられるのかを模索している段階でした。その中で、自社の弱みを補完できるパートナーの存在が不可欠だと考えていました。
御社のlit.linkは、若年層を中心としたライバーを含む様々なジャンルのクリエイターから支持を集めているサービスであり、連携することで新たな接点を築けると感じたことが大きな決め手です。
特に、lit.linkが保有する大規模なクリエイターデータベースを通じて、自社だけではリーチが難しい層のライバーを発見できる点に魅力を感じました。
単なるリーチ獲得に留まらず、コミュニティを起点にライバーの皆さんと継続的に関係性を築きながら、サービス改善にも協業的に関わっていただける点も大きな価値だと感じています。
小原 : ありがとうございます。
伊藤 : これまでカシオは、楽器などのハードウェアを販売店を通じて届けてきました。
一方で、デジタルサービスという無形商材、かつ新たなチャネルを開拓する中で、ターゲットに直接アプローチし、深い対話ができる「コミュニティ」という場に大きな可能性を感じていました。
また、UI/UXに関するノウハウも魅力でした。Z世代のクリエイター領域で実績を持つ御社から、効率的なアプローチ方法を学び、取り入れていきたいという期待もありました。
小原 : 導入にあたって、社内での理解や進め方で意識したことはありますか?
石崎 : 新規事業であるからこそ、単なる数値目標だけでなく、「ユーザーの声をどうプロダクトに還元するか」という共創の視点を重視しました。広告のように一方的に情報を発信するのではなく、コミュニティの皆さんとともにサービスを育てていくプロセス自体に価値があると考えています。
協業から見えてきた、プロダクトを磨くための「生きた知見」
小原 : 実際にコミュニティと協業してみて、どのような成果を感じていますか?
伊藤 : 数値目標への到達という点ではまだ課題もありますが、協業したからこそ見えてきた「課題の可視化」は大きな成果です。プログラム経由のユーザーさんが「どこで離脱しているか」といった行動データを一緒に分析することで、
自社だけでは気づけなかったプロダクトの弱点が明確になりました。
石崎 : SNS広告と比べると、コミュニティでは提供価値や使い方を「丁寧な説明」として届けられます。イメージだけでなく、実利を伝えられるのはコミュニティならではの強みですね。
小原 : 運用上の工夫や、ユーザーとのコミュニケーションで心がけていることは?
伊藤 : ユーザーさんのインサイトをユーザー様ひとり単位で見ていくことを大切にしています。実際にプログラムから登録してくれた方にはユーザーインタビューを行うなど、サービス設計の精度をさらに上げていきたいと考えています。
また、2026年1月にはリスナー側の登録ハードルを下げる「ゲストログイン機能」もリリースしました。ライバーだけでなく、ライトなリスナー層にも魅力を伝えていけるよう、導線を磨き続けています。

スケジューラーから「メディア」へ。ライバーエコシステムの中核を担う
小原 : 今後のStreamer Timesの展望についてお聞かせください。
伊藤 : 直近では、ライバー側の登録負荷を下げることが最優先課題です。YouTube等の配信登録と二度手間にならないよう、工数を極限まで減らしていきたいと思っています。
登録するライバーが増えれば番組表が充実し、リスナーの「見たい配信が見つかる」体験につながります。
リスナーが増えることで配信の視聴者数も上がり、またライバーがサービスを使い続けたくなる、という好循環を生み出すための改善を続けていきます。
石崎 : 中期的には、スケジューラーからメディアへの進化を目指しています。ライブ配信に関わる人々の生活に当たり前に浸透しているインフラになっていきたいです。
小原 : 最後に「ライバー育成プログラム」との連携において、理想とする姿を教えてください。
伊藤 : コミュニティで学んで成長したライバーさんが、Streamer Timesを通じて新しいリスナーと出会い、さらに輝いていく、そんな唯一無二の体験ができる場所としてのプラットフォームを構築していきたいです。
コミュニティは形成の難易度は高いですが、一度形になればこれほど強い場所はありません。
これからも皆さんと共に、新しい時代の文化を作っていければと思います。




